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□この話は「白闇様」が、
2004年8月16日に投稿して下さった作品であります。
■投稿作品第百十三話
帰り道

そう、あれは確か私が小学生だった頃の話だ。

その日私と親友のKさんはいつも通り二人で話をしながら帰っていた。
何も変わらないいつもの道を通って…

その時はまだ異変に気づいていなかった私。
友人Kに肩をたたかれ車道に目がいっていた私の顔は、ようやく前を向いた。


「ねぇ、あれ何か変じゃない?」


Kさんはそう言ったが最初は何も見えなかった。


「ねぇ、あれ絶対変だよ」


Kさんは続けてそう言った。
その時私はやっと気づいた。
それは遠くの方で何かに引きずられるかのように左右に揺れて歩いていた。

透けるような白い肌に長く黒い髪、そして赤いワンピース…
怖い話で定番のお化けのようだと私は思った。


「何あれ、お化けみたいな格好してる。気持ち悪いね。ははは」


私にはその時、不思議と恐怖心が無かった。
そして笑う私とは対照的に、彼女の顔は酷く青ざめていた。


「人にしてはやけにデカくない…?」


目が悪いせいなのか私はそれに気づいてはいなかった。
それはいつも通る店の前の看板をゆうに超えていた。
でかいな…。
いや、でかいの域を超えている。確かあの看板は3mくらいある巨大な看板である筈だ。
それを超えていると言う事は…有り得ない。
有り得ないモノが今私達の前にいる。

急に恐ろしくなった私達は逃げ出したくなったが、そのモノから目が離せなくなっていた。
未だゆらゆらと揺れている赤いモノ。
それはさらに大きく揺れている。そして視界から消えた。


「左に出て行っちゃったよ…」


木が邪魔をしている為よく確認できなかったがKさんが言った。
左?左は確か車道のはずだ。
そう思った私は急いで車道に出た。

そこには、ただ車が行き交いいつもと変わらぬ風景があるだけだった。
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