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□この話は「空禅様」が、 2005年5月14日に投稿して下さった作品であります。 |
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■投稿作品第百三十六話 本当の原因… |
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あれは私が10歳のときでした。 所属していた少年野球の練習があり、仲間と談笑しながら家路についていました。 その日は朝から何故か悪い予感がしていました。 事故で姉が他界したときと同じように…。 家の近所の交差点につき、一緒にいた仲間とはここで別れます。 信号が青になるのを待っていると、 人が後ろにいるような気配 を不意に感じました。 そのとき、さっき別れたはずの仲間が遠くから走ってきて 「危ない!」 と叫びました。 (おや?) と思っていたら、誰かに突き飛ばされました。 よろめきながら、私はその姿を見ました。 他界した姉の姿を… しかし、それは温厚で誰にでも優しかった姉ではありませんでした。 どんなときでも微笑んでいた姉は、冷たく私を見据え、頭から事故当時のように大量の出血をしていました。 そして私は自動車に轢かれました。 不幸中の幸いなのか、偶然その日は変えの靴を忘れてスパイクで帰っていました。 そのおかげで足を滑らせ、転倒した足を轢かれただけ済みました。 のちに仲間に聞いた話では、私と別れてすぐに嫌な感じがしたそうです。 気になって戻ってくると、私の後ろに 血だらけの女性(私の姉のことでしょう) と軍服のようなものを着た男が立っていたそうです。 男と私の間に姉がいて、男が私を突き飛ばそうとしているのを阻止しているように見えたそうです。 優しかった姉は死んだあとでも、私のことを守ってきてくれたのでしょうか。 あのときに、弱々しく、しかしハッキリと聞こえた 姉の声は今でも忘れられません。 「○○○(私の本名です)は死なせない」と… ■管理者より 私も、実弟を交通事故で亡くしており、この話には何所となく引かれるものがありました。 最後の言葉に、お姉様の性格や想い、その全てが凝縮されているような気がします。 陰ながらではございますが、お姉様のご冥福を心よりお祈りしたいと思います…。 |
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