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□この話は「夜姫 様」が、 2005年7月17日に投稿して下さった作品であります。 |
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■投稿作品第百四十五話 引越しで |
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いつも楽しく拝見させていただいています。 これは数年前の秋の夜、友達の引越しを手伝っていた時の話です。 昔からの友達ではないのですが、その頃よく会っていた女友達です。 私も友達も霊感はないのですが、怖い話には興味があり、奇妙な体験はたびたびしていました。 この時私が体験したことを書きたいと思います。 「実家にまだある荷物を運びたい」と頼まれました。 引っ越し先のアパートとは比較的近かったので、免許を持っていない友達を乗せてその友達の実家へ向かいました。 彼女の家は真っ暗でした。 2階の部屋からいくつもショーケースを持って階段を往復していました。 5〜6回で車に乗り切るほどの荷物を運んだのですが、その階段を往復する途中で、視線に気付きました。 階段を昇る前に奥の真っ暗なリビングに誰かの気配がします。 「あ、誰かいたのかな」 そう軽く流して荷物運びに勤しんでいました。 たまに気配は感じることはありますが、いつも直視すると見えません。 裏目で感じるのです。 この時も裏目で「ソファーに座った女の人」だとだんだんとわかってきました。 人の気配を感じて直視したときに、しっかり見えなかったのだけれど、こちらは階段の電気がついているから丸見えだろうと思って軽く会釈をしてその後も視線を感じながらも荷物を運んでいたのです。 だけどある疑問が頭をよぎりました。 「この子のお母さんはすでに亡くなっているはず…」 だけどお父さんに恋人ができていてもおかしくはない。何よりも 「どうして電気を付けずにいるのだろう」 と思ったのですが、昼寝をしていて私たちの気配で起きてしまって、立場上見られたくないなどの事情があるのかな、などと勝手に都合をつけて、車に乗り込みました。 帰り道で私は 「家に誰かいなかった?」 と聞いたのですが、 「誰もいないことを確かめて荷物取りにきたんだから。」 と答えるのです。 私は見たことはあえてこの時彼女には伝えませんでした。 私には 「家から荷物を運び出す娘を悲しげに見ている母」 の情景が頭から離れませんでした。 この場を借りて、彼女のお母さんのご冥福を、心からお祈りいたします。 |
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