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□この話は「お母さん様」が、 2009年11月25日に投稿して下さった作品であります。 |
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■投稿作品第二百四十話 写真 |
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十数年前に知人の妹さんからきいた話です。 妹さんにはいつも行動を共にする仲の良い友達がいました。 男女混合7〜8人のグループで、恋愛感情も何も無く心の底から信頼し合える良い仲間。 真面目なヤツもいれば面白いヤツもいる。 その中に、とびきりおちゃらけたヤツがいました。 何をする時も何処に行く時もふざける、周りの空気を読まずに必要以上におちゃらける…。 食事をすれば「うっ く、苦しい」と大声をだして死んだふりをしてみたり、観光地に行けば立ち入り禁止の中に入っておどけてみたりと。 そんな彼を皆は少し鬱陶しく感じていました。 丁度そんな頃、季節は夏で海に行く事になり、皆で夏を満喫していたのですが、案の定、彼はおちゃらけます。 海に入って溺れた真似を何度も何度も繰り返したそうです。 注意しても、まだ止めずに続けるので、皆は無視をして互いに水を掛け合ったりビーチボールで遊んだり写真を撮ったりしていました。 カメラに残ったフィルムはあと2枚。 海に腰の辺りまで浸かって集合写真を撮りました。 1枚目では静かだったのに、2枚目(最後)の写真を撮った時、彼はまた水面をバシャバシャ叩いてゴボゴボやっていたので、皆でウンザリしながら浜に上がって身体を拭いたり飲み物を飲んだりしていました。 ふと気付くと、彼はまだ戻って来ていません。 また、おちゃらけているのかと思い彼を待ってみましたが、嫌な予感がして…。 その予感通り、彼はその海で亡くなりました。 見付かるまで時間がかかり、そんな場所で見付かるなんて…。 地元の方が不思議がる場所で見付かったそうです 四十九日も過ぎた頃、喫茶店に仲間が集まって彼の死を悼んでいた時、このすぐ側にフィルムの現像を頼んだ写真屋があるのに気付き皆で写真を受け取りに行きました。 すると店の主人が 「これ、ウチで処分してあげてもいいよ」 言うので、怖々と写真を見ると、彼の頭を大きな手が青筋をたてて押さえつけていたそうです。 溺れたふりなんかじゃなく溺れさせられたんですね。 |
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