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■ここに紹介する「八丁池」を訪れたのは2004年4月。「天城隧道」の取材の際に“ついで”に出向いたスポットである。 なかなか訪れる機会のない静岡での取材に、出版社から依頼を受けた天城隧道の取材のみで帰路につくのも実に勿体無い話だ。しかしながら、足早に帰宅し原稿を仕上げねばならない現状も、あるにはなる。 なので、本来ならばもっと沢山のスポットを取材したかったのだが、天城隧道から程近い(と思っていた)八丁池に狙いを定めてプライベートな取材を行ったのであった。 |
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■天城隧道から、国道414号線を北に進み、そこから八丁池へ向かうべく“道しるべ”の指す方向を頼りに八丁池を目指した。 今になって思えば、実に難易度の高いルートを選んだ様に思えてならない。詳しくは調べていないのだが、天城隧道の南側坑口より先に進み、その先の分岐路から向かった方が良かった様な気がしてならない。勿論、当時の私は、そんな事前知識もなく、それこそ“導の指すがまま”に、険しい道程を進んだのであった。 なかなかの登山道に苦労したことも、今となっては“話のタネ”という意味で良い体験をしたと思うし、また若干の奇妙な体験も出来、それを体験談に発表できたのだから、こういったサイトを運営する上では有難いことなのだろう。 因みに、その体験談は「恐怖体験談」にて展示しているので、参考までにご覧になって頂ければと思う。 兎にも角にも、その“道しるべ”が示す険しいルートは、アスファルトで舗装されている道路の脇に、突然現れた。その険しさは、写真で見てもらっても分かると思うのだが、その様は道というよりは水の枯れた“川”の様であった。 如何にも山頂に降った雨水が“そこ”を伝って麓に流れて行くかのような、そんな道とは懸け離れた道に感じた。 「ホントにこんな道を進んで着けるのかな?」 流石にそんな疑問を抱かずにはいられない。しかし、道標は間違いなくそこを指しているし、それを信じずして先に進むことなんて出来ない。 多少の悩みや躊躇はあるものの、その示す先の険しい道に、足を踏み入れたのであった…。 |
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■この写真が、上記した険しい山道だ。 道と言われれば道なのだが、日常で接している道とは完全に懸け離れた姿だ。 |
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■明らかに人の手ではない、自然の力により並べられたであろう敷石は、想像以上に歩き辛い。 大小様々な石が無秩序に配置され、時に大きく足を持ち上げねばならず、またそれに伴いバランスを保つために意識を集中せざるを得ない。また勾配のきつさが、さらに体力を奪う。そして「この道で辿り着けるのか?」といった精神的不安要素が、さり気なく体力を消耗させる要素に繋がっている。 そうこうしているうち、そんな道の石も大きさは徐々に小さくなり、また石そのものが少なくなってきた。どちらかと言えば、木の根の方が多くなってきただろうか。 その根を足がかりに進むのが多くなるのだが、やはり不安定なのに変わりはない。また時に、木製の“歩み橋”の様なものも存在していた。 今まで歩いてきた道が、決して獣道ではないという証しでもあり、そういった意味では安心する要素だ。しかし、その姿は古びており不安な要素は隠せない。 「乗った途端に崩れたりしないだろうか?」 といった疑問は抱かずにはいられない。しかし、崩れたところで、その下が断崖などではないので、万が一があったとしても大事にはいたらない(はず)だ。なので、躊躇なくその橋を渡った。勿論崩壊することもなかった。 |
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■大小様々な石の側面に、貧相な道標が確認出来る。 間違いなく“八丁池”に向かっているらしい。 実に不安定で、なおかつ急勾配の山道を、相当苦労して登ったのを思い出す。 |
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■木製の橋の姿もあった。 その古びた姿に、妙な不安を抱かずにはいられなかった。 |
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■道中には、この写真の様に石が密集している箇所が多々ある。 | ||||||||||
■“道”と呼ぶには非常に無理がありそうな道だが、道標にある通り、これを進めば目的地に辿り着ける。 信じるほかないのだが、やはり不安は隠しきれない。 |
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■進むにつれ、杉の姿が多く見られる様になった。 一応階段などが設けられており、どちらかと言えば歩き易い方だ。 しかし、それでも落ち葉などにより滑りやすい。 ましてや革靴などで登った日には…。 |
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■階段の先が妙に開けている様な気がする。 鬱蒼とした山の中で、こういった太陽の日差しが多く差し込むのは、上には当然空が開けているからだろう。 |
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■どの様に開けているのかと思えば、なんと道路であった。 明らかに車でここまで来ることが可能と言う事だ。 今まで「ひーひー」言いながら登ってきた事に、虚しさを覚えたのだが…深く考えずに進むことにした。 目的地まで、あと2キロと少々だ。 |
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■恐らく“水生地”という所からスタートしたので、上の写真で見る通り約半分を登り切った事になる。 疲労しつつも半分を制覇し、この時点では“楽勝ムード”であった。 しかしながら、この先が実に長かった様に記憶している。 そんな苦労話などを、その2で書いていく事にしよう。 その2へ続く…。 |
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