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■佐白山の内部へ さて、現地のなだらかな坂道を“てくてく”と歩いていると、周囲の木々のほかに色々なもの…たとえば石碑や石製の階段などが見えてくる。こういったものが視界に入ってくると「笠間城跡に来たんだなぁ」と、しみじみ思えてくるのが面白い。 また、それと同時に“気持ち”の方も徐々に盛り上がってくる…という表現は少々大袈裟かもしれないが、現地撮影に“気”が入ってくる。 |
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■井戸 そんななか、“霊的”に噂されているもので最初に視界に飛び込んできたのが井戸だ。 本編「その1」の写真で紹介したのが、まさに“それ”なのだが、人の良い屋根なども作られており、当地がキチンと整備されているのが伺える。 目の前に井戸があると内部を覗きたくなるのが人の本能かどうかは分からないが、「中はどうなってんのかな?」などと気になってしまうのは私だけではないであろう。己の欲求のまま井戸の中へ顔を覗かせ、内部の写真も撮影する。ここで思ったのだが、確か 「井戸の内部を覗くと神隠しにあう」 といった噂があったような…いや、「その2」で書いてあるとおり確かにそんな噂話が聞かれている。 果たしてこの噂が嘘か誠かは分からないが、今現在の私はこうしてレポートを執筆中であり、少なくとも現在においては神隠しにあってはいない。しかしながら、「一寸先は闇」という言葉のとおり、未来における私の“行先”など分かるはずもない。もし私が“行方知れず”なんてことになったなら、その時にはこの佐白山でのエピソードを思い出していただければと思う。 もっとも、この佐白山にはもっと沢山の井戸があるという話もある。現に「その2」で書いた「3つの井戸を見つけると呪われる」という噂もあり、少なくとも3つの井戸が、この周辺に存在していることになる。 なお、その1でも若干触れたが、3つの井戸のうち2つは見つけることができた。最後の1つは時間の都合から見つけることができなかったのだが、そのもう1つの井戸にはコンクリート製のフタが置かれていた。したがって当然ながら覗き込むことはできなかった。もちろんフタを退かして覗くことも選択肢としてあったのだが、あまりこういったものに手を付けるのも“如何なものか”と思ったので、それはやめておいた。 いま思えば、フタがされていたものが実は神隠しの井戸だったのでは…といった気もしてくる。「実はあの厳重なフタは、実は呪いを封印するために…」といった疑問が沸々と湧いてくる。 …いやいや、考えすぎだ。十中八九「安全面」によりフタが設けられたのであろう。そう考えた方が妥当だ。恐らく…。 |
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■相変わらず写真が先行していて恐縮である。 この写真は「その2」の最後の写真“櫓跡の石碑”付近であり、周囲を一望できる絶景スポットである。かなり素晴らしい風景が広がっていたのだが、本音を言えば 「これで天気がよければ…」 といったところであった…。 余談だが、この取材の後に訪れることになる「足尾」も、ここから望む事ができる。 無論“晴天”ならばの話なのだが…。 |
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さて、その“屋根のある井戸”から程近いところに、山肌にポッカリと穴が見てくる。それが「笠間トンネル」なんて呼ばれている噂多いトンネルであり、恐らく佐白山において一番有名な場所ではないかと思われる。 前に書いたように、「武者の霊が〜」とか「親子の〜」といった噂が聞かれており、この取材での一番のポイントと言える場所でもある。 トンネル自体の規模はそう大きくもなく、長さ的には…例えるならば古吹上トンネルほどであろうか。それが新しくなったような雰囲気である。照明設備はなく、トンネル内は非常に薄暗い。しかしながら、時の流れによる風化の少なさからか、古吹上トンネルのような“凄味”を感じることはなかった。もちろん、比較してどうこう言うものでもないだが、一見した雰囲気を簡単に語れば「やや新しいかな…」ということである。 だからといって、この笠間トンネルが「怖くないのか」といえば、決してそういう訳ではない。この何とも言えない“圧迫感”はなかなかなものだと思うし、何よりも噂を多く聞く「実績ポイント」であることは揺るがぬ事実である。 トンネルを潜り抜け、出口より内部を眺めながら、武者の霊がトンネル内部に悲しげにたたずむ姿を想像し、何とも奇妙な気分にさせられたのを思い出す…。 笠間トンネルの撮影を終え、いよいよ笠間城の天守跡を目指す。 今までのアスファルトで舗装された道とは打って変わり、そこまでの道程は下の写真でも分かるとおり実に荒々しいものである。体力勝負になることは間違いなく、実際に息を切らしながらの探索となったのだが、その辺の詳細は次回に書くとして、そろそろ現地写真の紹介に移りたいと思う…。 |
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■いよいよ笠間城の天主を目指す。 石段が設けられ、いかにも歩きやすそうに見えるが、何気に急なつくりになっている箇所も多く、意外と体力を消耗する道程であった。 |
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■この起伏に富んだ城跡の構造は、山城ならではであろう。体力一杯に、その姿を味わった気がする。 更に上を目指すと、なにやら石垣らしい構造物が見えてくる。 |
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■石垣らしい…というより“そのもの”であった。 「お城だったんだ」と強く実感できる瞬間であった。 |
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■更に更に上を目指す。 荒々しい石も見え隠れし、その向こうには“屋根”らしきものも見えてくる。 |
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■一本道をひたすら進むと、このような建物が見えてきた。注連縄から察するとおり神社である。 「佐志能神社」という名称だ。 |
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■結果として次回になり、ようやく内容が追いつく結果となった。 執筆する工程も「もう少し考えねば」と反省しつつ、いよいよ次回が最後となる。 最後までお付き合い願えれば、管理者として嬉しい限りである。 |
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