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■第二十一話 頭痛:その1 |
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頭痛に悩まされたのは幼き頃から。 事あるごとに強烈な痛みが頭部を襲うのは、毎日とは言わぬが“頻繁に起こる”と言っても、決して言い過ぎではないと思う。 過度に神経を使うような出来事のあった次の日などは、強烈な頭痛が我が身を襲う事はよくあり、例えば現在の妻の両親に、初めてご挨拶に伺った翌日などは、かなり強い頭痛であったと記憶している。 「“肩こり”からくる頭痛は強烈だ」 とはよく聞くが、私の頭痛は正にそれであると思われる。 “肩のこる席”は当然ながら嫌いであるし、実際に肩はこるし…頭の痛みも、大小あれど必ず起こる。 上に書いた“ご挨拶の時”なども見事に当てはまるであろう。 また、緊張する場面が長く続いた翌日も、同等の頭痛に泣かされる。 高校1年の部活動での「後輩しごき」が数ヶ月続いた時も、共にしごかれた同級生の誰もが気付かなかったであろうが、その“しごき”に悩まされた分だけ頭痛にも悩まされた。 また、例の“初めてのご挨拶”の時も、異様な緊張状態だったため、“緊張+肩のこる席”という安易な計算が成り立ち、ただでさえ辛い頭の痛みが“倍増”したのは言うまでもない。 心霊スポットに出向いた翌日も、頭痛に悩まされる時が多々ある。 やはり緊張状態が続く場面が多い事が、その要因の多くを占めると思われるのだが、ついつい“別の要因”を想像しがちなのは、 “憑依” “呪い” などに対する恐怖心からなのだろうか…。 とにかく、探索の翌日に“頭痛”に泣かされる場面が非常に多くなった昨今であり、その都度 「緊張したせいであろう」 と、半ば誤魔化しながら気を紛らわす事も、最近では多くなった。 【某年某日】 とあるメンバーが揃い、複数の現場を一晩で周るという比較的規模の大きい心霊スポット探索を行なった事がある。 この探索での主軸となる、言わゆる“リーダー”は私ではなく、最近では珍しく予備知識無しの“まかせっきり”での参加となった。 「たまにはこの様な探索も悪くないな…」 そんな気楽で、軽い気持ちでの参加であり、はるか昔に、かつての仲間と行なった探索を思い出す部分も非常に多く、そういった意味も含め、とても楽しかった記憶がある。 また、行く先を全て“リーダー”に任せ、なおかつ運転も別の方にまかせ…。 この余りにも楽な状況は、時に「申し訳なさ」すら覚えるほどであった。 現場に到着するたびに、リーダーから簡単な説明を受け、現地の主だった写真を撮影する…。 そんな事を数現場ほど繰り返し、とある心霊スポットに到着した。 「ここはどの様な場所なんですか?」 と、今まで通りに現場の説明を受けようとリーダーに問う。 すると返ってきた答えは、覚えている範囲ではこうである。 「この“■■■■■■■”では、はるか昔に女性が“とある事情”で身を投げた場所」 との事であった。 「はるか昔より語り継がれた心霊スポットかぁ…これは興味深いぞ」 そう思い、持参したカメラを用意し、撮影の準備を整えたのだが…どうも気に掛かる物がある。 決して霊的に何か気配を感じている訳ではない。 ただ、この地を以前より知っているような…そして撮影を慣行する事に対し、妙に躊躇いを感じるような…。 実に不思議な感覚であり、迷いも感じたのだが、結局、現地の撮影を始める事となった。 しかし実際は“ピンポイント”のスポットであり、撮影箇所は決して多くない。 なおかつ“深夜の闇”の状況では、なおさら被写体は限定され、実質その現場にいた時間は数十分ではないかと思う。 リーダーの合図を切っ掛けに、我々メンバーは車に乗り込んだ。 次の現場を、リーダーが運転手に伝え、それまでの道程を2人で相談している。 その最中、私はこの“■■■■■■■”について、 “どこで情報を得たのか、またどの様な内容であったのか” という事ばかりを思い出していた。 しかし結局答えが出ないまま、デジカメで撮影した先程の写真を小さなモニターで特に注意するでもなく、適当に確認するのだが… …んん??? 先程も書いたとおり、数十分程度の探索であり、枚数も滞在時間に比例して少ないのだか、その数枚の写真の中に、気になる物を見つけた。 決して迫力のある心霊写真ではない。 その手の写真には、“ありがち”な、比較的平凡な写真であり、同行したメンバーに慌てて見せる程の物でもない。 しかし先程から答えの出ない“心霊スポットの詳細の謎”が手伝ってか、妙に複雑な心境へと陥る。 『聞いた事はあるのだが、その詳細が思い出せない…』 『そして写真に写ったモノは…』 気になって気になって仕方が無いのだが、気にしていても、何も始まらないのも事実。 結局、その事については出来るだけ考えないようにし、その後もまだまだ続く探索に挑むのだが… その2へ続く |
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